明けましておめでとうございます^o^
ブリッジライターNAOです。
今回のテーマは、新年明けて最初の記事ですし
なんだかんだ気合入ってしまうもので、
昨年末に書いた前回と前々回に登場した
竹村真一氏を紹介する続きでもあるのですが、
心機一転、新年の抱負も述べておこうかと。
今年は当ブログ『インターネットと農業』は、
ますます「和風」のテイストを強めていきます!!
・・いや、約4年前にこのブログを始めた時から
実は一貫して”和”風だったのですが、
それをあらためて認識したのが最近になってからでした。
ただ、もしあなたがここまで読んでみて
「和風」=日本文化のイメージ(畳、石庭、障子、侍など)
が頭の中で映像化されてしまったなら、
すみません、それとはちょっと違うものです。
「和」とは、
ひとまず別の単語で表現するなら、「統合」のことです。
(西洋から出た概念では「アウフヘーベン」が近いと思います)
「和(わ)」を訓読みすると
「和える(あえる)」「和らぐ(やわらぐ)」ですね。
「あえる」の例をあげると
「和食」の特徴の一つ、「あえもの」があります。
複数の素材をバランス良く混ぜて絡め合わせ、
美味しくまとまりますね。
「やわらぐ」は、
「柔和な」「緩和する」という言葉のとおり、
排斥や分離とは逆の「まろやか」で「あいまい」なイメージです。
やさしくおおらかに包み込む感じですね。
ちなみに「まろやか」を漢字変換すると「円やか」ですので、
「わ:和=輪(=円環)」の言霊ともつながります。
複数のものをいったん全部受け入れて、
ひとつの輪(円環)に結び合わせ、
一緒に回りながら上昇していく
それが「和」です。
※どうして日本文化圏ではそんな芸当ができるのか。
その裏には歴史的に「捨てる」ことが得意で、
仏教でいうところの「空(くう)」とも相性がよい
民族性だからです。
これについては今回の記事では深く言及しませんが・・。
さて、それではもう一方、
「アウフヘーベン」についての解説は、
このブログの読者さんなら知っている方も多いと思うので
ウィキペディアやグーグル先生に任せます(手抜き。笑)
ただ、映像的なイメージとして、
行ったり来たり、螺旋的な発展(らせん階段を上っていく)
をしておけばいいかと思います。
補足するなら、
かの有名な洋学者:福沢諭吉の古典的名著に、
「見識を高める唯一の秘訣」として、このような一節がありました。
========
物事の状況を比較し考えて、より高い段階を目指し、決して自己満足しないこと。
ただし、状況・形態の比較とは、単に一つの素材や一つの現象を比べるということではない。
自他双方の状況・形態に含まれる全ての素材・現象の長所と短所とを、
あますところなく検討することである。
========
(『学問のすゝめ』十二編より)
この章の中には「アウフヘーベン」も「和」も
単語としては登場しないのですが
この部分はまさにアウフヘーベンを表していましたので
引用させていただきました。

さて!(ちょっとテンション切り替えます)
なんだか小難しく抽象的な話になってしまいましたが、
なんで、「和」とか「アウフヘーベン」とか言ってんの?
という話ですよね^^;
それは前回まで何度も登場していただいた
竹村真一先生の思想が、「和」的なものであり、
地球や人類が”共進化”してより良くなる(つまり幸福になる)ために、
多くの人が知るべき考え方だと思っているので、
このブログで何度でも強調しようと考えているからです。
例えば前回の
*******
都市が自然と対立し、人間や人工物が地球環境にとって破壊的な存在となってしまっていたのは、
文明が「進歩」しすぎていたからでは決してなく、
むしろ我々の技術文明と社会デザインが「未熟」すぎたからだ。
*******
というのは、
人類の技術の発展が、地球環境に悪影響を及ぼしているのは確かなんですが、
そういう負の側面ばかり見て嘆いているのではなく、
それを「まだ未熟」と捉え(「のびしろ」とも表現しています)、
もっと”ちゃんと”発展させれば、
人間がいないことで調和がとれた自然環境ではなくて、
人間もその他の生物もそれをとりまく地球環境すべて
共に合わさって別次元で発展する未来が開けるよ!
と”気づかせて”、”勇気づけ”しているわけですね。
そういうわけで、
農業の分野においては、
僕自身は自然農法・自然栽培寄りの考え方をしていますが、
(参考:乾坤塾レポート 自然農・川口由一さんの世界 )
それはあくまで未熟なNAOという1人の人間の
個人的な思想の一部であって、(しかも途中過程段階)
最先端技術をバンバン投入する農法だって、
現時点で課題はあっても、「アリ」だとも思うんですよ。
昨年秋にFBページの方で書いたこの投稿にも表れていますね。
【「ドローン×農業」から思うこと】
https://www.facebook.com/internet.agriculture/posts/657057277787278
【「ドローン×農業」から思うこと】
当ページ『インターネットと農業』にしては珍しく(笑)
分かりやすく典型的な
”インターネット”と”農業”の融合事例なのですが、
あらためて見てみましょう。
「ドローン」が一般的に知られるようになっ...インターネットと農業さんの投稿 2016年9月27日
また、これは個別具体事例なので少し横道逸れますが、
「ハイポニカ」という方法を紹介しますと
トマトの水耕栽培で、遺伝子組み換えもせず特殊な肥料もないのに、
1株で13000個もの実がなる巨木を育てる農法があります。

画像は「水耕栽培で家庭菜園」のホームページより
http://www.gokigen-yasai.com/hyponica1.htm

これ、自然栽培の思想とは真逆の発想なんですけど、
知った瞬間、シンプルに心が震えましたよ!(笑)
「根っこは土の中」
というのが多くの植物の本来あるべき姿ではあるものの、
その「土」というまさに「土台」さえも
物理的な制約条件の一つに過ぎなかった、
トマトの本気(ポテンシャル)はこんなものではなかった!
と、まざまざと見せつけてくれたんですから。
そしてもうひとつ、示唆的な話を。
昨年12月に参加したセミナーイベントがありまして。
「試食付き!稼ぐ農業祭-冬! 生産者と農ビジネスを学ぶ!語る!」
http://peatix.com/event/214169/
宮崎県が主催し、宮崎への就農を促すための農業ビジネスについての勉強会
というのが催事の主旨ではありましたが、
そこでご登壇されていた、
日本初の野菜ジャーナリストとしてご活躍なさっている
篠原久仁子さんのご発言が
農業の分野の多様性や本質を突いてるな〜と印象的でした。

(画像はご本人のご了承を得て篠原久仁子さんのHP『畑からの伝言帖』より)
「”ナントカ農法”とかでは区切れない。人の数だけ農業がある。」
「農業で稼ぎたい人は、農業を通じて何がしたいのかしっかり考えて始めよう」
全国津々浦々飛び回り、現場でリアルな声を取材なさっている
包括的(まさに「和・アウフヘーベン」的)な視点からのご発言だと、
今これを書きながら改めて気付きました。
また、講演内でのご発言ではなくて、
そのあと直接ご本人からいただいたセリフなんですが、
「人の数だけ農業のスタンスがある、ということは一番伝えたいと思っていること。
この人が好きだから、この人の野菜を食べる、
という人が一人でも増えたら農業は変わると本気で思っています。」
という熱い想いも聞くことができました!^o^
その表現手法の一つが、
「大好きな生産者さん」
という企画なんですね。
http://shinoharakuniko.com/category/cat-02/
「野菜果物の育て方は100人100様。
だから、好きだなぁと思う生産者さん「マイ農家」とのつながりを大切にしています。
私の身体と心を支えてくださっている方々をご紹介します。」
(『畑からの伝言帖』の「大好きな生産者さん」より)
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ところで、”農業ビジネス”については、
これまた僕個人の思想ですが、
「農産物の生産・加工・販売の分野では、
物理的・時間的な制約があるため、
インターネットを活用した在庫を待たない情報系の分野に
どうしたって太刀打ちできない。
→ よって、稼ぐ目線では厳しい。」
(参考:・農業は儲かる?儲からない?
・(続)農業は儲かる?儲からない?)
とは思っています。
・・とは思いつつも、
当たり前ですが、稼ぐだけが農業の存在意義ではないのは当然としても、
その逆に、稼げる農業者がいないと農産業が消えてしまいます。
(つまり、「農業でバリバリ稼ぐぜ!」と頑張るビジネスマンも必要ということ)
「農業者の数だけ農業のやり方(あり方)がある」
という前提を胸に刻み、
それらを”和風”に”アウフヘーベン”させていく動きの
一助になれたらな、と思います!
それでは、
今年もますます宜しくお願い致します!
ブリッジライターNAO
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当ブログのコンセプトと自己紹介を書いた初回記事
『インターネットと農業 とは』
http://boom-nao.seesaa.net/article/319009463.html
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