こんにちは。
ブリッジライターNAOです。
前回、”農業”をする粘菌の事例から「進化」について考えてみて、
「ダーウィン進化論(ネオダーウィニズム)」に疑問を呈したのでした。
(参照:農業もする不思議な生き物。それは「粘菌」
<C進化について考えてみる・・> )
http://boom-nao.seesaa.net/article/nenkin.html#mokuji4
今回のテーマは、
現在世界的主流であるダーウィン進化論に真っ向から対抗する、
「今西進化論」についてです!
ただ、こんなマニアックなテーマ、
”面白い”ことは保証しますが・・
「その意義は?」「有用性は?」
「そもそもそんなん知って役に立つの?」
という声が聞こえてきそうです・・
そんな野暮なこと言うな!
・・なんて思いません。
僕もどちらかというとそういうタイプですので
(功利的であることを否定しない)
とても共感します。
なので、このへん(有用性・功利性)に対しても
満足いくように書いてみますね^^
僕は、今西進化論を、
今ここで知っておく意義は3つあると思っています!
1.ダーウィン進化論のような社会的に”権威”づけられた
一見”科学的事実”かのように思われる(思わされている)ことを鵜呑みにせず、
自分の頭で考え直してみる思考習慣・科学的態度
2.だからといって「科学なんて疑わしい」と感じたとしても、
安易に・盲目的に、宗教への依存に向かわない慎重さ
3.日本的(東洋的)な自然観から
資本主義を超えた新たな経済を考える起点とし、
生き方・経営などで、変化にうまく対応するヒントとなる
・・う〜〜ん、なんか難しそうな雰囲気を醸し出してしまっている・・(苦笑)
要は、3つとも、
「自分の頭で考えよう」
(アルファブロガーの”ちきりん”さんのキャッチコピーと同じ。笑)
ってことなんですね。
さて、ではさっそく目次に入・・・の前に、
この文章を読んでいただくにあたっての前置きを。
「進化論」の話って、実はとてもデリケートな題材でして、
どうも宗教っぽい領域に踏み込まざるをえなくなるものです。
ただ僕は、この記事で「宗教」の話がしたいわけでありません。
宗教をdisっているっぽい場面が出てくるかもしれませんが、
それは僕の勉強不足によるものでしょう。
真理は宗教の方にある場合もあるかもしれませんね。
(別に正解を求めているわけでもないんですが)
じゃ、「科学」や「科学的根拠」の話をするんでしょ?
という流れになりそうですが、
主目的としては「科学」のことも言いたいわけでもありません。
じゃあなんなの?ってなりますが、
それは、「考え方(思想)」とか「生き方(人生観)」とか、
「主体的に在る」
そんな態度を推奨しているだけの記事ですので、
そういう前提で以下、読み進めていただければと!^o^
(「科学」も「宗教」も、「考え方」の側面・範疇とします)
まあ何はともあれ、目次を見てみましょ〜
⓪「ダーウィン進化論」と「今西進化論」とは
@社会的権威に迎合しない
A安易に盲信しない=思考停止しない
B「今西進化論」の実用性
C勉強会お知らせ:今西進化論を経営に活かした大企業
(※あとで使う進化論の流れの図です。パワポよりも手書きの方が早いので。笑)
<⓪「ダーウィン進化論」と「今西進化論」とは>
まずはそもそも、「今西進化論」自体が初耳の方もいらっしゃるでしょう。
理系の人でも、
さらには大学で生物学を専攻していたとしても、
進化論と言えば「ダーウィン進化論」のこと
だと思っている人が大半のような気がしますが・・
そもそも進化論には、
つまりどういう仕組みで生物が進化(変化)するのか、
いろんな説があります。
その中でもダーウィンが1859年に出版した
『種の起源』を大筋認め
細部に追加・訂正をしている多くの学説をまとめて
「ネオ・ダーウィニズム」と呼びます。
「正統派」とか「総合説」などとも言われ、
数としては大勢を占めている、
という現状はあるものの・・
ダーウィン進化論(ネオ・ダーウィニズム)という”仮説”が、
まだ”証明”されたわけでも
ましてやその説に則して生物の進化が”再現”・”観測”されたこともありません。
現在でも、あくまでも”1つの有力な仮説”であって、
それ以上ではないんですね。
(日本では教科書に載っているせいなのか、
なぜか「科学的に正しいこと」みたいな扱われ方をしていますけど・・)
では、ダーウィン進化論とはどんな仮説なのか、
復習してみましょう。
まずは図解で。
<ダーウィン進化論>
D1.環境Rのもとで、生物種r(個体rたち)がいる
D2.常に個体ごとに突然変異をしている
あくまで生物種rという”生活形”の中で、aとかbとかcとかにランダムに変異している。
D3.ある時、環境Aと環境Bに分かれる
物理的に(洪水など)で断絶した、とか
D4.環境Aのもとでは個体aが有利(他は不利)に、
環境Bのもとでは個体bが有利(他は不利)に
有利な方は子孫をより多く残し、不利な方はだんだん数を減らす。
(これがいわゆる「自然淘汰」)
D5.2つの新種、生物種aと生物種bに分かれた
もとはrで仲間だったけど、長い年月がたってaとbはもはや交配不可能になった。
(できても子が出来ない、もしくはその子に生殖能力がない)
以上が、おおまかにダーウィン進化論です。
ここでは細かいところは気にせず大筋をイメージでとらえていただければ、
次に紹介する今西進化論の面白みも見えてくるでしょう。
<今西進化論>
I1.環境Rのもとで、生物種r(個体rたち)がいる(※D1と同じ)
I2.環境Rのままなら生物種rは特に変化しない
個体ごとにDNAレベルで突然変異していることはしている(D2と同じ)が、
生活形に影響があるような変異ではない。
I3.ある時、環境Aと環境Bに分かれる
D3のように物理的に断絶することもあるが、
だいたいは生物種rが生活する領域(地域)が広がってきて
場所の違いによる条件(気候など)の差が生じたり、
もしくは環境Rの中でみんなが同じ食べ物を食べていたら足りないので
別のものを食べたり別のタイミングで食べたりする。(食いわけ・すみわけ)
I4.環境Aのもとでは生物種aに一気に変わり、
環境Bのもとでは生物種bに一気に変わる
環境に応じて、そこにいる生物種rがみんな一斉に短期間で、適した生活形に変わる。
乗り遅れた者(個体rのまま)の子孫も、あとから追いかけるように同じく変わる。
I5.2つの新種、生物種aと生物種bに分かれた(※D1と同じ)
さて、まだなんとなくもやっとしているかもしれませんが、
次に、端的な文章の方でも違いをあぶり出してみますね。
<ダーウィン進化論>
********
とある生物種(集団)の中の「個体」が、
遺伝子などがランダムに「突然変異」し、
その状況で有利なものが「自然淘汰」によって生き残り
次の世代に伝わることが繰り返され「長い年月」を経て新種となる。
********
キーワードは4つ
「個体」が、「(ランダムに)突然変異」して、「自然淘汰」によって、「長い年月」で、進化した。
<今西進化論>
********
とある生物種の「集団(種社会)」ごと全体が
環境に対応した「方向性」にそって
他の集団(異種・近縁種)と「棲み分け」て、
なるべく早く「短期間」で変化して新種となる。
********
同じくキーワード4つ
「集団(種社会)」が、「(環境に即した)方向性」を持ち、「棲み分け」によって、「短期間」で、進化した。
さて、頑張って図や文章にしてみましたけど、
いかがでしょうか?
わからなければ、質問をコメントにくださいね^^
こちらの本(を1000字でレビューしたサイト)も参照してみてるのもオススメです。
↓
『進化とはなにか』(今西錦司著)
https://wp.me/p9lSyq-1f
ところで、ここまで書いといてこんなこと言うのもナンですが・・
僕は、「今西進化論が絶対に正しいんだ!」
と強硬に主張したいわけではありません。
科学的な証拠、すなわち実験での再現はされていませんし
そもそも正直僕自身、まだ深くは理解していませんので・・
(まぁダーウィン進化論も科学的に再現されてませんけど)
趣味嗜好として、今西進化論の”世界観が好き”であり、
自分の中でしっくりくる感覚、と言いますか、
”日本人的な感性”で”受け入れやすい”ので、
ここで記事に起こして紹介しています。
「正しいのか、正しくないのか」
「ハッキリと明らかなのか、わからないのか」
という土俵で話をしているのではなくて、
個人の”趣味嗜好”、つまり”好き嫌い”の問題と思っていただければ。
・・まぁこれは逃げ口上と思われるかもしれませんね。
実際、僕自身、
厳密な議論に耐える準備はしていないわけですし。
ただ、ここ最近の分子遺伝学のますますの発展により、
ダーウィン進化論の疑わしさが増し
今西進化論っぽいことを支持するような学説も出てはきています。
「これから」というところなのでしょう。
また、「科学的に証拠は出揃っているのか?」
という態度が必ずしも常に有用であるとも思っていませんので、
そこのところはご了承くださ〜い^o^
さて、では次は、
今、ここで、「今西進化論」を知ったことで、
どんなメリットがあるか、とういうことに話を移しますね。
<@社会的権威に迎合しない>
よく知られている話ですが、
マルクスが資本主義を着想するにあたって、
ダーウィンの『種の起源』を読んで影響があったことが
明らかになっています。
「歴史的な階級闘争の自然科学的な基礎として」(マルクスの書簡より抜粋)
自然淘汰の考え方を経済に持ち込み、
ダーウィンに手紙(感謝の旨)を送るとともに
『資本論』を寄贈したりもしています。
(一方、ダーウィンの方は、
『資本論』はしっかりは読んでいないし、
あまり経済への応用には興味がなかったらしいことが
マルクスへの返信からわかるのですが。)
もうひとつ、ナチスの『優生政策』で有名な、
「優生学」というものも、
ダーウィン進化論の皮を被って
なかなかマッドサイエンティスト的な方向に向かっちゃいました。
どっちも、もちろんダーウィンご本人に責任はありませんし、
ダーウィン進化論の本質的な部分でもないのですが・・、
時の権力者たちに神輿に乗せられてしまった
(利用されてしまった)感が否めません・・
マルクス資本主義は今現在も世界経済の主流ですし、
優生学は、一時期だけだったにせよ、
その当時は権力を持っていました。
(宗教的な意味で)インパクトはあったものの
まだ科学的に証明されたとは言えないひとつの”仮説”が、
ここまで社会情勢に影響を与えたのも
数少ない事例だったわけです。
(インパクトの大きさ、という意味で似た例をあげると、
天動説から地動説、一般相対性理論や量子論など、
多くはないですね。)
そして天動説から地動説の例がわかりやすいですが、
ほとんど全ての人が
「それが正しいに決まってるじゃん。当たり前でしょ?」
と思っているようなことが、
実は全然正しくなかった
ということはありうるということです。
ダーウィン進化論に関しては、
その「ダーウィン進化論」そのものを
正しく説明できる人さえ少数なのにも関わらず、
なぜか教科書的に「正しい」と思い込まされ、
ほとんどの人(特に日本人ですが)が
あまり疑いもせずに信じているように見受けられます。
それはなぜなのか、
なにか裏があるのか、
・・・そういう危なっかしい領域には
このブログ記事では踏み込みませんが(笑)、
少なくともあなたが
「ダーウィン進化論」=「すでに正しいと確定されたもの」
と思っているのでしたら、
「今西進化論」のような面白い学説が
まだ否定されきられていないということを知るだけでも、
だいぶ視野が広がるのではないでしょうか?
・・以上、途中なのですが、
今回の記事のメインはここまでにします!
すみません、字数ボリュームなどの関係で、
目次のA・Bは次回(8月上旬)に繰越しで・・m(_ _)m
C勉強会お知らせ:今西進化論を経営に活かした大企業
は読んでおいてください!
<スポンサード>

<A安易に盲信しない=思考停止しない>
すみません、次回(8月上旬)に回します!m(_ _)m
アダムとイブ伝説の創造論に安易になびかないために、
ひとつ具体的なセールスコピーのページを例にあげてみますね!
<B「今西進化論」の実用性>
こちらも次回(8月上旬)に回します!m(_ _)m
実用性は「大事」なので、しっかり書きたいと思います!
こちらの書籍が参考図書となります。
↓
『マエカワはなぜ「跳ぶ」のか』(前川正雄・野中郁次郎)
(1000字レビューはこちら↑をクリック)
<C勉強会お知らせ:今西進化論を経営に活かした大企業>
そして、講演会のお知らせです!
「今西錦司『生物の世界』と前川製作所の経営」
と題し、前川製作所グループのとある会社の社長をお招きして
セミナーをコーディネートしました!
2017年8月30日(水)
都内某所、19時〜21時 です。
詳細のご案内は、このブログページ最下部にある
Base Bridge Brains の入力フォームより
お名前とメールアドレスを入れてください。
当日のセミナーに来られない方にも、
概要をまとめた資料を作ってみて配布するつもりです。
(※9月に追記:
【公開用資料】『生物の世界』と前川製作所の経営
http://bridge-writer.com/member/cf/mayekawa )
なお、2017年5月24日に僕が講師をした
「南方熊楠から見た、今西錦司の『生物の世界』」
と同じ会場、時間です。
(配布レジュメはこちら)
https://boom-nao.up.seesaa.net/image/minakata-imanishi.pdf
(4月にこのブログで案内した文章はこちら)
http://boom-nao.seesaa.net/article/daichi.html#mokuji8
参考図書の『生物の世界』(今西錦司著)は、
こちらに1000字レビューしています!
https://wp.me/p9lSyq-U
続きは次回に!
それではまた〜^^/
ブリッジライターNAO
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当ブログのコンセプトと自己紹介を書いた初回記事
『インターネットと農業 とは』
http://boom-nao.seesaa.net/article/319009463.html
FBページ版インターネットと農業もあります。
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