こんにちは。
ブリッジライターNAOです。
多くの日本人にとって、
3月のこの時期は(この時期でなくとも)
「復興」や「再生」
がキーワードかと思われます。
言うまでもなく、
3.11、東日本大震災のことですね。
あれから5〜10年くらいの時間経過では、
まだ記憶に生々しくもあり
(懸念されたとおり)風化もされつつある
そんな頃かもしれません。
(参照:過去記事
『君の名は。』と『シン・ゴジラ』と、『インターネットと農業』と )
ちなみに筆者の話になりますが、
僕が今は”ブリッジライターNAO”として
発信をするようになったきっかけの一つにも、
3.11がありました。
(独白調で書いた「あの日の翌日」という2000字くらいの文章もあります。
お気が向きましたら読んでみてください^^ )
さて、僕個人の話はさておき、
今回のテーマは「復興」とか「再生」ということで、
最近、まさに「地方再生」の”請負人”として
日本全国を飛び回る人物にインスパイアされたので
詳しめにご紹介したいと思います。
その人物の名は、奥田政行さんという方です。
テレビ・雑誌でも頻繁に登場なさる有名シェフなので、
このブログにたどり着く方ならご存知の方も多いでしょう。
3月5日に、大地を守る会のイベントにて
奥田シェフのご講演を聴いたことから、
『奥田政行シェフの料理哲学から「本物の”ご馳走”」が見えてくる』
というタイトルの記事を
主に女性向けのキュレーションサイトに寄稿しました。
(こちら↓をクリックするとその記事のリンクに飛びます)
インターネットと農業さんの投稿 2017年3月18日
トピックとしては以下のようになっています。
<目次>
● 「ご馳走さま」って、そもそも?
● 雑誌やテレビでもご活躍中の「奥田政行」シェフ!
● 庄内の在来野菜との出会い
● ローカル×グローバルに駆け回り世界で唯一の料理 を”馳走”
● 講演会の主催者「大地を守る会」も全国を"馳走"しています
目次にもあるように、
「ごちそうさま」や「ご馳走」の
”馳走”という言葉の語源から、
奥田シェフのご活動、
在来作物の話をライトにまとめています^^
数分で読める文量ですので、
こちらはぜひお気軽にお読みになってみてください!^o^
『奥田政行シェフの料理哲学から「本物の”ご馳走”」が見えてくる』
※在来品種(在来作物・在来野菜)についてさらに詳しく知りたい方は、
この映画がオススメです。
『よみがえりのレシピ』

(このブログでも登場する中沢新一氏との会見のレポートはこちら)
ご講演の内容については、上記の
『奥田政行シェフの料理哲学から「本物の”ご馳走”」が見えてくる』
ではほんの一部であり、
このブログを数記事を使っても
とても書ききれないほど多岐にわたるものなので・・^^;;
この記事内では2つに絞りましょう。
・奥田シェフから見出す「和」
・言葉にして伝えること=文化
それではまず、
<奥田シェフから見出す「和」>
なのですが、
昨年2016年末から当ブログでは、
「和」は特に意識しているテーマです。
今、各地方、日本全国から、そして世界中からも招聘され、
時代から、人々から求められている人物である奥田シェフの
ご活躍の秘訣が、ご講演の序盤から
バンバンと”和”の精神にリンクしていて驚きました。
その”和”の精神をかいつまんで言うと、
「人を喜ばせる(料理を作る)ために
相手の求めていることを注意深く聞いて、感じ取って、
その場所の環境(置かれた状況)をよく見て調べ、
こちらの提供できる能力とすり合わせながら作り上げること」
となります。
これは、前回の記事
「デザイン思考」と『海賊とよばれた男』と「キューバの有機農業」
でも取り上げ
”デザイン思考”=”和”
という図式でデザイン思考についてあらためて再定義した、
********
新しいものを生み出すために、
ユーザーの意見をもらい、受け入れて、
失敗や試行錯誤しながら
作り上げていく過程・手法
********
ということと非常に相似していると感じました。
奥田シェフのご活動において見出した
和の精神の具体的なところは、
経済苦で資金がない状態から・・
いかに工夫して低予算で飲食店を立ち上げ、
資材や人員を知恵を使って最小限で回し、
近所の方々にも助けてもらい、
その時その状況で相手が喜ぶことを考え、
お金を介在させない物々交換のしくみで豊かに食材を揃え、
(専門の)イタリアンにこだわりすぎず中華でもなんでも作り、
その時代にもてはやされている料理から次の流行を読み解き、
雑誌での読者の層を意識して文章を書き、
苦境の中でも笑うことを心がけ、
テレビではお堅いビジネス番組から求められればバラエティまで出演し、
やりたいことのためにやりたくないことも真摯に取り組み、
次々と夢を叶えてきた、
そのストーリーに随所に散りばめられていました。
これは、始まりは奥田シェフ個人の物語かもしれませんが、
現在では「おいしい庄内空港」「食の都 庄内」などの
キャッチコピーを定着させるほど行政も巻き込んでおり、
ここに「地方再生」のヒントが詰め込まれているように思います。
<スポンサード>

次に、<言葉にして伝えること=文化>です。
(これは僕がライターということもあるので、
非常に示唆的であるだけでなく
個人的にも勇気付けられる話でもありました)
ご講演の中で、食材の調達や
在来作物との出会いのエピソードがありまして、
海と山が近いところに豊富な水源と平野の広がる
山形県・庄内の自然環境のお話から、
「生きものがいっぱいいるところが食材が豊富なところ。
そこに人間が入っていって、歴史が作られる。」
「歴史→文章・言葉」という流れになりました。
ここのところをもうちょっと噛み砕いてみますと、
********
人がその土地で暮らす営みの中で、
あたりまえに見過ごされている「習慣」を、
文章にして集めると「文化」となる。
まさに文に化けるで、「文化」!
昔からそこにあるなんの変哲もない風景が、
人間の歴史を乗せる(=文章に載せる)と、
そこにしかない価値となる。
(観光名所にもなりうる)
********
ということです。
さらにそれを「食」にフォーカスしてみれば、
********
「食文化」は、「食習慣」の集合体。
その地域で代々作られ食べられてきた在来作物は、
外の文化(食材・調味料や調理法)と組み合わせて
新しい料理を作ることもできるだけでなく、
ちゃんと”伝える努力=言葉にすること”をすることで、
文化ともなり、人を呼び込む(観光資源となる)、
まちおこしの中心となる。
********
ということになります!
その秀逸なコピーライティング能力を
いかんなく発揮している奥田シェフの信念は
「レストランは農林水産業を伝える最後のメッセンジャー」
というものです。
在来作物を活かした料理を作って、
ふるさとに恩返ししよう!と目覚めた時、
料理人は無口な職人であり
調理場に立ち続けて美味しいものを作るだけだ、
と思っていたのを取っ払いました。
お客様の横で料理の説明や
地域紙に文章を寄稿すること
を積極的に始めたのです。
(ご本人は、「魂が良く生まれ変わる」
「学生時代は勉強が苦手だったが、魂に火がつくとアタマまで良くなる。」
と表現していました。)
まさに現在、「メッセンジャー」として、
故郷の庄内・鶴岡だけでなく
全国の地方を再生する活動に飛び回っていらっしゃる
奥田政行シェフに、今後もますます注目ですね!
以上、この記事でのメイン、
・奥田シェフから見出す「和」
・言葉にして伝えること=文化
の2つでした!
そのほか、奥田政行シェフについての情報は
数多くのイベントでの講演レポートや
ウェブ雑誌でのインタビューが
グーグル検索によってあふれんばかりに出てきます。
実は、今回のご講演も、その内容の多くは
すでに別の機会でも語っていらっしゃることでもあります。
奥田シェフは、どの講演でもだいたい共通した
大筋の流れがあらかじめ決まっていて、
その会場の聴講者の反応・雰囲気を見ながら
どの話の流れに分岐させるか、も含めてご用意されています。
(念のため・・、もちろん前提として、
その時その会場に応じてのその場だけでのお話もあります。)
※そのプレゼンのコツについても、
下記にご紹介するご著書の中で明かしていることです。
ざっと網羅的に、かつそれなりに詳しく
奥田シェフについて把握するのであれば、
『地方再生のレシピ』
というご著書が適当でしょう。
(『1分で読書』という
1000字ほどのレビューと”約説和歌”で構成された
読書ブログも書いていますので、
この本の概要をつかむ際にお役立てください^^
『地方再生のレシピ(奥田政行)』 )

それでは、今回はリンクが多めになり、
そちらも全部読むと時間かかってしまいますが、
最後までお読みいただきありがとうございました!
また来月^^/
ブリッジライターNAO
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当ブログのコンセプトと自己紹介を書いた初回記事
『インターネットと農業 とは』
http://boom-nao.seesaa.net/article/319009463.html
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